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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 令和5年6月20日号
支える縁
齊藤 耀慧

つらさ、悩みを話して心やわらぐ

 木々は、春に萌葱[もえぎ]色の若芽を芽吹かせ、初夏にはやわらかく明るい緑の若葉を纏い、やがて秋から初冬にかけて、色鮮やかな葉をつけます。このような木々の営みは季節の移り変わりを感じさせます。
 長かったコロナ対策が少し和らいだこの頃、訪問の約束がある某老人ホームヘ行きました。久しぶりのお話会で少し緊張気味ですが、皆さん嬉しそうです。「私は両親から土地も家も何も貰わなかったの。だから、そんな私に仏さまから長生きの種をいただきました。私は95歳です」。満面の笑みが印象的なCさんは、入院する前日に、娘さんと大好きな買い物を楽しみ、その日の夕方に息をするのが苦しいと訴え病院へ、間質性肺炎でその場で入院でした。一時は危険な状態だったそうです。
 顔が無表情で笑顔がなかなか出ない人やコロナ禍で家族と会うこともできず、心の不安で不眠症になる人もいます。コロナウイルスは私たちにいろいろな影響を与えました。心の底にたまった垢が重すぎて気分が沈んでしまいます。お話会が終わる頃には、最初に感じた緊張感は消え、皆さん笑顔で見送ってくださいました。
 つらさや悩みは誰かにそれを話すことでやわらぎます。誰かが少しでも心が穏やかになれたかもしれないと思うと心の中にぬくもりが生じます。
◎為説種種法[いせつしゅじゅほう]
「ちがう言葉とちがう声 私には私にわかるよう あなたにはあなたにわかるよう 姿や形をいろいろに 声や言葉をいろいろに 仏さまは法を説く たったひとりの 私のために たったひとりの 貴方のために」
 まわりを支え、助けることを《支援》。支える縁《支縁》ともいえるように思います。また《支縁》=《支円》。それは始まりも終わりもない円のようなもので、全てを《円[まど]かなる心》に導くものです。
(日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員)
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